萌木の村 村民かわら版

八ヶ岳・清里高原「萌木の村」のスタッフが綴る季節ごとの村の表情や、個性あふれる各店舗のあれこれです。
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マンスリー上次さん 8月号

 今年も清里フィールドバレエが始まります。
23回目、本当にここまで続き、年を追うごとに進化して新しい感動が、それぞれの時に生まれました。今年もまた新たな物語が生まれそうな、そんな期待で今私は胸が高ぶっています。
清里フィールドバレエの歴史の中で初めて17才の女性が主役を努めます。その女性は佐々木万璃子さん。15才でローザンヌバレエコンクール3位に入賞(女性で最高位)した方です。イギリスに留学して2年、清里フィールドバレエでその姿を見せてくれます。清里フィールドバレエが彼女を育てたと言っても過言ではないと思います。子供の頃から何かを持っている、そんな輝きをいつも私は感じていました。いつか日本を代表する一人になる彼女の第一歩を、私達は見る事が出来るのです。その舞台に私達は関わっていられるのです。なんと幸せな事か。
オリンピックでもそうですが、ヒーローが誕生するというのは新しい時代の幕が開かれる時です。その時、私達の役割も変わります。その自分自身の役割は何なのか?最近いつも私はその事を考えるようになりました。
3月11日の震災から日本の価値観は大きく変わったと私は思うのです。一人一人、この世に命を与えられた人達が、たった一度の人生の中で「生まれてきて良かった、そして貴方が居てくれて良かった」と思える"役割"を手に入れる事が出来たら、それは人生の勝利者になれるのではないでしょうか。
今、私達はその事を実感しています。今年は会場の整備・舞台作り、全てがハードな作業でした。関わった一人一人が全力を出し切り、ここまで来ました。ダンサーたちも、この舞台に立つに相応しい練習を重ねてきました。舞台を支える裏方そして舞台に立つダンサー、それらの人達を守るもう一つの裏方・・・日々の食事を作るお母さんたち、バスの運転手さん、今日からこの2時間の本番の舞台の為に、100人を超える人達が、一つの思いで動き出します。『この舞台を見てもらいたい』。見に来て下さる皆様がいるから、続けられる事が出来ます。
本日、被災地・石巻から子供たちが、スタッフと共にこのフィールドバレエを見に来て下さいます。笑顔を感動を勇気を持って帰ってもらいたい。そうしたら、本当に私達は幸せ者だと思います。

会場で貴方にお会い出来るのを、楽しみにしております。
上次さんの気持ち
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