萌木の村 村民かわら版

八ヶ岳・清里高原「萌木の村」のスタッフが綴る季節ごとの村の表情や、個性あふれる各店舗のあれこれです。
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マンスリー上次さん 12月号

 人は本を読んだり、人に会って話を聞いたり、旅行して体験した経験などからいろいろ学びます。その学んだ事が日々の出来事の中で生じる決断力に生かされます。
 私達の住む清里では清里ならではの生活があります。私達は自然と付き合いながら現代の恩恵を受け、毎日生かされております。今の時代は都会に住んでいる人達と同じ事をしてもこの地で生きていく事は出来ます。しかし、それではこの地で生きる事がとっても虚しいものになってしまいます。
 私共のホテル・レストラン・博物館で働くスタッフは、分業化された今の時代、自然と関わらなくても普通に生活していけます。そして何も考えなくなります。私は、スタッフに石積みを、土を掘る事を、薪を作る事を、農業をする事を日々の仕事以外に経験させる事にしました。例えば、ダンロで燃やす薪にしても木を切り、枝をはらい丸太を50cmに小さく切り、それを割り、積み上げる所などは、今までは人に頼み、スタッフはその積まれた薪をダンロの中に運び燃やすだけでした。それでもスイッチを入れるだけで暖かくなる生活からすれば大変な事だと思うようです。でも、そこまでの作業の事は知らないのです。実際には何も知らないスタッフが薪作りのプロの人の所に手伝いに行っても足手まといです。それでも私はプロの人達に経験させて下さいとお願いして作業を手伝わせております。一人前の人の1/10位しか仕事をしなくても、一日手伝う事はスタッフにとっては大変な事のようです。薪を積むまでにこんな大変な作業がある事を知る事が大事なのです。清里で働くという事は都会で働く事の他に、いろいろやらなければいけない事を知り、経験する事が大事なのです。実はその経験が人生の中で大きく役立つ事になるのです。「自分にも出来た。」そしてその経験が苦痛ではなく楽しくなるスタッフも出てきます。そこからアイデアが生まれたり楽しさを皆様に伝えたり。
 都会は人間が造った物です。自然は神様が作られました。私はそんな所で生きているのです。どっちが素晴らしいかは考えなくてもわかるはずです。私達は素晴らしい自然の中で生きているかと思えれば、この地は天国です。
 私は今、先人達が清里開拓をした希望に満ち溢れ生き生きとした時代の生き方を少しでも萌木の村で働く人達に伝え、経験させていこうと思っています。私達は春の芽吹きの頃まで開拓者達が春の訪れの為に冬に準備していた事をこの時代にやっていこうと思っています。私がこうしたいああしたいと思っても体験していないと共通のイメージが湧きません。私は今、スタッフの研修とそんな体験を通して清里で生きるプロを育てたいと思っています。まだまだ過渡期で皆様に満足していただける物までは創れませんがいつか必ず皆様にここだけの萌木の村をお見せできるように作り上げますので、楽しみにしていて下さい。1日1日こつこつと小さな手作業が大きな実を花を咲かせます。感謝
上次さんの気持ち
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