萌木の村 村民かわら版

八ヶ岳・清里高原「萌木の村」のスタッフが綴る季節ごとの村の表情や、個性あふれる各店舗のあれこれです。
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マンスリー上次さん 7月号

 いよいよ今月末から清里フィールドバレエが始まります。
今回は"変わる"という思いで、昨年から準備を始めました。
何故変わらなければいけないのか。そしてどう変わらなければいけないのかが、私の中で気がつき、見えて来たように思えるのです。
私達は清里という恵まれた宝の山のような所に住み、生活してます。今回富士山が世界遺産になり、三保の松原も富士が美しく見えるという事で認められましたが、実は清里から見る富士山が一番です。正面に富士山、右手に南アルプス、左手に秩父の山々、そして振り返れば八ヶ岳。そこで私達はどう生きなければならないのか、自分が今までやってきた間違い、そんな考えが、答えが出なかった時に、ポール先生のやって来た事を私なりに見直しました。そしてやっと、先生のやろうとしていた事が見えて来たのです。
私達この地で生きて行く者にとっては、先生の目指していた目的と同じ方向で、今の時代に合った方法で一歩ずつ前へ進むことなのだと思うようになって来たのです。
その中で【バレエ】はその象徴です。
地元に住む人たちと共に、一緒に"民度"(人間そしての質、人間性の豊かさ)を上げる事が大事です。そしてここに住んでいる事に誇りを持って自立している事、美しい清里、人も自然もやっている行いも。
最近うれしい事がありました。私の友人でバレエなんか俺には関係ねえと20年前には言っていた彼が、驚く事を言いました。イギリスから来たバレエ団の公演を観る為に新国立劇場にバレエを観に行って来たと私に言ったのです。『え!おまえが?』です。そしたら何回も行っているとの事。何が変わったのか、人は良いもの、良き人、知識、美しいものに出会うと、考え方や人間性が成長するという事です。何より彼との会話が上質になりました。
人は生まれて来た時は、頭の中は真っ白です。コンピューターのハードのような物です。そこにソフトが取り入れられます。そのソフトの中に三つの大事な要素があります。

一つ 生まれた場所・育った場所
一つ 生まれた時代
一つ 出会った人

その事により、私達は目の前の問題に対処していきます。
私がフィールドバレエを何故始めたのか。ポール先生の理想を実現しようとするキープ協会という所で生まれた事。運良くその時代が清里にとって開拓の時代。ポール先生をはじめ多くの夢に向かって生きていた人たちが身近にいた事。私の中では私の目の前に判断しなければいけない問題が起きた時に、それらのソフトが稼動して答を出してくれるのです。
私がフィールドバレエで一番見てもらいたいのは、地元の子供たちです。だから私達は子供のための料金を設定しました。二千円です。バレエ公演で子供料金が設定されているのは非常に珍しいと思います。本物、美しい物、良き事、ここだけの"事"、"物"、そして子供の時からいっぱい経験してもらわないと良き人間は育ちません。
私のような決して優れていない者でも皆さんのような素敵な人との出会いにより今のような道を開いていく事が出来る訳ですから、これから私達と違い長い時間を持っている若者に、重要なソフトとしての役割になれるような事と物をやって行こうと思うのです。
ポール先生を良く知る身近な人の一人で秋吉光男さんという方が私に行った言葉があります。
「ポール先生も人間だから間違いもいっぱいした。感情的になることもあった。しかし他の人との違いは、先生は一日一回必ず十字架に向かって、今日一日の行いは神に捧げる仕事として相応しかったかと自分に問うてた事だ」と言われました。
今回のフィールドバレエ、萌木の村の生まれ変わりは私達に試練をいっぱい与えてくれています。そして乗り越えて行った時に、また私達は一つの誇りを手に入れられる。
一緒に手を取り合った仲間とも絆が生まれるのだと思います。
『会場で待っています!』
上次さんの気持ち
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