萌木の村 村民かわら版

八ヶ岳・清里高原「萌木の村」のスタッフが綴る季節ごとの村の表情や、個性あふれる各店舗のあれこれです。
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マンスリー上次さん 7月号

joji2015.png 私は萌木の村の10年後、20年後そして100年後のことを考えると本当に楽しくて仕方がありません。この萌木の村の美しい環境のなかで、スタッフのみんなはどんな仕事をしているのだろうか。私達が1つ1つ積み上げたガーデンの石積み、私達がポール・スミザーさんの指導の元に植えた山野草達はどんな美しい姿をみせているのだろうか。そしてホテルはどんなホテルになっているのだろうか。ROCKはアジアNo.1のビールを作り続けているのだろうか。オルゴール館はどんな企画でお客さまに感動を与え続けているだろうか。実は、オルゴール館を計画した30年前、私はこう考えていました。この建物は100年後にも残るような木造建物にしようと。そして、大工さん達と一緒に考え作ってきました。京都のお寺が今の時代にもしっかりと残っているように、そんな思いでオルゴール館を作りました。

私は萌木の村に美しい環境を作りたいとこれまでずっと作業を続けてきました。最初は 自分たちで遊歩道を作り、コスモス畑にローズガーデンそしてハーブガーデン、キッチンガーデンといろいろなガーデンを作っては途中でやり直すような事を40年間も繰り返してきました。中途半端な失敗の繰り返し、いつもベストではなく、ベターの仕事を行い満足していました。しかし、それが今、何をしなければいけないかはっきりと見えてきました。最初からわかっていれば、今頃は出来上がっていたかもしれないと思う時もあります。でも失敗があったからこそ、今、やるべきことがはっきり見えるのだろうと思います。
今、私の行っていることは決して自分自身の理想ではありません。私の理想が100点としたら40点にも満たないものです。私の描いている100点を仲間たちにどう伝えていけるのか、例えば、「美しい景観」という1つの言葉にしても、私のイメージと同じように受けとめてくれるとはかぎりません。

私のイメージする「美しい景観」とは、私の子供の頃の清里の景観です。聖アンデレ教会の建物や八ヶ岳、すずらん畑、そして石垣など、今でも世界中で一番美しかったと思います。でも、私はずっとそう思っていたかというとそうではありません。その時代ごとの現実に、私が子供の頃見た清里の景観の美しさを忘れていました。やっと、ここ4年でそのことを思い出しました。私の願いは萌木の村だけがきれいになれば良いのではなく、美し森、清里の駅前、清泉寮、聖アンデレ教会がきれいになって欲しいのです。萌木の村が今、実現しているこの方法でもう1回それぞれの場所が「美しい姿」を取り戻し復活してほしいのです。なぜ、私が復活と言うのか、それは清泉寮も聖アンデレ教会も私の子供の頃は実はとてもきれいだったのです。私はそれを取り戻したい。戦争を知らない世代に戦争の悲惨を伝えていくことが大変なように、私のできることは理想に近づけるためにコツコツと作業を続けていくことです。

私は言葉で人に伝えることには限界があると思っています。五感で感じてもらわなければわかってもらえないものです。この文章を読んでいただいている方にとってもそれは同じだと思います。たぶん、みなさんはそれぞれ想像しているのでしょう。でも、萌木の村に来て見て五感で感じてもらった時に、初めて、私の言っていることをイメージとしてわかってもらえるのではないでしょうか。

萌木の村のナチュラルガーデンでは、3,000トン以上の石を使ってきれいな石積み整備している最中です。また150種以上の山野草がポール・スミザーさんの見事なセンスと  バランス感覚で植えられています。このナチュラルガーデンをぜひ五感で感じてもらいたいと思っています。山梨県のいたる所が、いつか私達の行っている方法で景観を作っていったら世界で一番美しい所になるのではないかと思います。そして、ここ清里に住む人達が誇りを持っているようにしたいのです。これは決して夢ではなく、実現できると思います。すべては第一歩から始まります。清里最高、萌木の村最高!
上次さんの気持ち
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