マンスリー上次さん5月号
TOPICS | 19.05.01
やどり木のお話&夢
萌木の村のロックの前の駐車場に「萌木の村」という大きな看板があります。そこに一本の「コナシの木」が立っています。ずっとそこに自生していました。周りの環境が変わっていく姿をずっと見続けてきた大事な木です。私は20年ほど前にその木に「やどり木」の種を植え付けました。やどり木という植物は木に寄り添って木と共に生きていく不思議な植物です。清里には芸術家でジブリミュージアムのステンドグラスを何年もかけて作り上げ た八田高明・由利子夫妻がいます。その方が私に話して下さった話が、「やどり木の下で愛を告白すると願いが叶う」というものでした。やどり木が大きく育つとその力も大きく、幸せが世界に広がるというお話でした。私はやどり木を探し、その種をコナシの木やにれの木に植えました。やどり木の種はねばねばした接着剤のような感じで、それを木の枝につけました。そして数年経つとそこに小さなやどり木がコナシの木に抱かれるように育ち始めました。そして今、見事に大きく育ちました。このやどり木の下で若い未来を背負う方々に愛を告白してもらいたいと思うようになりました。20年前に教えてもらったことがやっと実現します。このように、萌木の村の森や山野草のガーデンの一つ一つには物語がたくさんあります。
先日友人とウイスキーの話をしていました。その話の中で、イギリスにはあざみのラベルのウイスキーがあると聞きました。あざみはイギリスを象徴する花の一つだそうです。現在日本はクラフトジンのブームで、クロモジや山椒が日本固有のボタニカルで使われていますが、実は萌木の村の遊歩道沿いにはいっぱいあります。芽吹きの5月、何か物語を探しにおでかけ下さい。
うれしいニュースが一つ。萌木の村に関わってくださる人たちは素晴らしい人がいっぱいいます。その中で「NHKプロフェッショナル」で取り上げられた人が二人、萌木の村に関わってくれています。一人はガーデナーのポー ル・スミザーさん。日本の野草を愛し、萌木の村の庭を、八ヶ岳の山野草を、後世に残すナチュラルガーデンとして作り変えてくれています。もう一人は 「パレ ド オール」の三枝俊介さん。チョコレートの天才と呼ばれ、カカオ豆を求め世界中を飛び回り美味しいチョコレートを追求するカリスマです。その方の作ったソフトクリームは今話題となっています。そのパレ ド オールのソフトクリームを萌木の村で皆さんに食べていただきたいという願いが叶いました。萌木の村オルゴール館横の「エッセンガルデン」というギフトショップと、広場にあるガーデンカフェであの幻のソフトクリームが食べられること になりました。次はどんなカリスマ、プロフェッショナルが萌木の村と一緒に夢を作ってくれるのかが楽しみです。三枝さんのソフトクリームをやどり木の下で食べながら願いを叶えてください。私はそんなほのぼのとした皆さんを遠くから見て幸せをわけていただけたらと思います。