マンスリー上次さん7月号
TOPICS | 22.07.01
萌木の村のホテル ハット・ウォールデンに泊ったお客様が、「朝、鳥の声で目を覚ましました。こんなに朝から鳥の声を聞いたのははじめてだ」と言われました。
私にはそれが日常でしたが、そう言われると本当に小鳥の楽園のようです。たくさんの小鳥の声が聞こえます。小鳥だけでなく、ちょうちょも飛び乱れています。よく見ると、萌木の村は小鳥や虫、微生物、そして山野草などの植物まで入れると地球の人口より多い生き物のオアシスになっています。
なぜそんなに小鳥や虫、ちょうちょが多いかというと、食べられるエサがあるからです。すべての生命体は食べるものがないと死にます。生きていけません。海の魚だって同じです。小さな魚はそれより大きな魚に食べられ、そして一番大きなクジラでさえ最後はエサとなります。萌木の村の生き物だって絶えず小さな虫は小鳥に食べられているのです。
生きている生命体はそのような循環の中で、バランスをとって生かされています。小鳥だって大きな鳥に狙われています。すべての生き物はほかの生き物に食べられる危険の中で生きています。それが自然界の現実です。
ナチュラルガーデンズMOEGIがスミザーさん(注1)さん、輿水さん(注2)たちによってつくられてきましたが、実はそこには見えない微生物や虫たちの働きがあったから今があるのです。不思議です。すべては縦糸と横糸とでつながっていて、一つの作品になっているのだとここにいると感じます。
楽しいこと、うれしいこと、感動すること、感謝すること、幸せだと思うこと、夢が持てることこそ大事なのに、人間は何か大切な物を忘れてしまっているように思います。地球の中で一番醜い生き物は人間だと言われないために、今までの歴史から学び、新しい価値をつくりましょう。それには萌木の村が一つの参考になるかもしれません。
いよいよ感動の清里フィールドバレエがはじまります。野外で行うフィールドバレエは山野草やちょうちょと共に舞台を作っていくのです。皆さまにお会いできる日を楽しみにしています。
注1) ポール・スミザー氏 ナチュラルガーデンズMOEGIを2012年より手掛けているランドスケープデザイナー
注2) 輿水章一氏 ナチュラルガーデンズMOEGIの要である花壇を独自の石積みによって作っている職人