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マンスリー上次さん4月号

TOPICS | 23.04.01

北斜面の日陰にはまだ残雪が残っている清里です。この季節になるといたるところで春の芽吹きが始まります。昨年の秋には枯れて何もなかったのに、土の中ではこの芽吹きのためにずっと準備をしていたのだと思うと、自然とはなんと計画的なのだろうと感心します。そして毎年少しずつたくましくなっているではありませんか。その姿を見ると、我々人間は自然から学ばなければならないとつくづく思います。「自然の摂理」といいますが、いつも不思議に思うことがあります。木や草は脳を持っていないのにどこで考え何故バランスを取ることができるのでしょうか?人間はたいそうな脳を持っているので考える力を持っていますが、自然のバランス感覚には劣ります。特に近年、何かおかしいと思っている人がふえているのではないでしょうか。地球上の生命体は全て関わりの中で生かされ、そしてそれぞれの役割を持っているはずなのに、我々人間だけは思い上がってそのルールを無視ししている。そして特に日本は拝金主義に走り続けています。その結果ひとつバランスを崩すと、芋づる式にバタバタと連鎖が起こります。

 

そんな時に萌木の村はナチュラルガーデンを作り始めました。開発されていない土地が多いこの地で育ってきたので自然は身近に感じていましたが、微生物だの昆虫だの蝶類だの小鳥だの、それぞれの草花の関係性など、実は知らないことがたくさんあったのです。ナチュラルガーデンを手掛け始めて10年、自然に対する知識はやっと小学校入学あたりでしょう。多くの方々に協力いただいてやっとここまできたのですから、我々にはいかにしてナチュラルガーデンを萌木の村の宝物にするかが問われています。私の中でもまだまだ理解できていないので、皆さんに伝えることは不十分ではありますが、この自然の姿を楽しんでもらいたいと思います。ナチュラルガーデンの中にいると、不思議な安らぎが得られ、数えきれない命と結びついていることを実感できます。その中に身を置くとゆっくり自分を見つめられる、「人間とはなんぞや!」と見つめ直すことができます。今の時代、我々にはそんな時間が必要だと思うのです。

 

令和5年4月1日

萌木の村村長

joji