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マンスリー上次さん8月号

TOPICS | 16.08.01

  早いですね、もう清里フィールドバレエが始まりました。27回目、毎回毎回早いと思う訳ですから、「早い」の積み重ねも早い、ということになります。

 

  舞台作りは毎回進化しています。照明・音響・大道具それぞれが前回の反省を活かし、改善あるいは新たなチャレンジを繰り返してきました。なぜこの舞台に関わる人達は皆共通して同じ方向を向いているのだろうかと思うのです。最近私は、自分が尊敬する人、憧れる人(プロという卓越した人)には、共通の行動パターンや思考回路を持っていることに気付きました。作業の途中でも、より良いアイディアが思いつくと、今までやってきたことを犠牲にしてでもやり直す。時間がないとは言わない。夜中でも朝まででもやり続ける。利益やお金のことが思考から消えるのです。その業界の動向がいつも気になり、それらを認め、それ以上の物を作り出す努力を惜しみません。一流の人とはお金と時間が思考から消えて行動する人なのです。今まで自分が信じてやってきたことでさえ、時には自らを否定してやり直す勇気(これは能力と言って良い)を持っている人のことです。他人から見ると卓越した能力を持っているのに、本人は気付いておらず自分のことを凡人だと思っている人のことです。このような一流の人達はなぜそこまで追求し、労を惜しまずやり遂げるのか?!そこには必ず大きな何かが見返りとして手に入るからなのです。

 

  その見返りとは、感動です。感動は計ることができません。人によって度合が違うのです。感受性の強い人、感謝の気持ちを持っている人は他の人より大きな感動を手に入れることができます。仲間と同じ価値観で行動するのもやはり同じ感動を得られます。皆さんにとってフィールドバレエの一回の舞台は感動の舞台だと思います。私達にとっては、8月10日全ての公演が終わり、お客様が会場から立ち去った後に、感動の嵐が瞬間的に襲ってくるのです。それを手に入れる為に今があるのです。このような宝物は特別な人だけが手に入れられるということではありません。全ての人が行動と思考を一度変えてみると、大きなものを手に入れることができると思います。27年の間には、自分達が良いと信じて行ったことでも、結果はそうではない場合がありました。成功は失敗の連続の中で生れます。失敗するから実力が付きます。だから続けることが大事なのだと思うようになりました。

 

  しかし、私達みんなで感動を手に入れ続ける、夢を追い続けている中において、フィールドバレエに関わるスタッフの中に、良い物を作るための仕事が“作業”になってしまう人がいます。このようなスタッフは残念ですが皆の足を引っ張ってしまう為に、私の口から「選手交代」を告げなければなりません。能力はなくても、最大の努力をしている人を私は認めます。ある意味そこが私の甘さです。最高を目指すなら、能力を持っている人が最善を尽くす、結果すごい物になるでしょう。私は共に関ってきた仲間が最善を尽くしてくれれば、ずっとその仲間と夢を追い続けていきたいのです。努力しない人は予想以上に大きく結果にマイナス作用します。その責任が大きいのです。萌木の村の歴史、清里フィールドバレエの歴史の中で、私は仲間を失ったこともありますが、新たな仲間もできました。私は決して能力ある人間ではありませんが、良いものを求めて行動する勇気だけは持っていきたいと思います。私達は開拓者の血を引き継いでいるわけですから、この時代の開拓者であり続けていきたいと思います。その結果として皆様に感動のおすそ分けをしたいと願っています。