再建に向け想うこと。
TOPICS | 16.09.17
ロックの取り壊しがあと一週間位で終わりそうです。形が消えていくのは思い出が消えていくような感じです。きっとロックの中には多くのお客様の思い出がいっぱい詰まっていたのだという事も感じます。今度新しく再建するにあたっては、その思い出も感じられながら、今まで以上の何かを創らないと意味が無いのでしょう。
私は先日のミーティングで開拓という事を基本において考えようと提案いたしました。この清里の地の歴史は、何も無い大自然の中に、鍬一本で先人たちが畑作りからスタートした所です。ずっとチャレンジの積み重ねです。私達も現代の開拓者でありたいし、チャレンジャーでありたいと思ってまいりました。私は今回の事故の後、一人で清泉寮にあります聖アンデレ教会に行き、聖堂で一人時間を過ごしました。あの空間が一番落ち着き、一番好きだったことを思い出し、強く意識しました。あのデザインを再建するロックの参考にしたいと強く思うようになってきました。
私の育った時代は幼稚園はまだ清里には無かったので、農場で子豚や牛、羊と遊び、日曜日には日曜学校という子供の為のプログラムに毎週参加していました。ポール先生の事業の中では私が一番最初に生まれた子供でしたので、常に私は年長でした。ですから、日曜学校の学級委員長のような役割を果たしていました。そんな中で育っていたのですが、アンデレ教会のこの空間が当時一番好きな場所だったことを、今回このような事が起こるまで忘れておりました。ですが、日が経つにつれて聖堂の空間が何よりも素敵な大好きな場所だと思いを強くしています。聖堂のイメージをなんとか新しいロックの中に活かせないだろうか、どう活かすか設計の先生と議論を重ねている所です。
今度、再建に向かって仲間が励ます会を企画して、私を応援したいと言ってくれています。12月15日夜6時から東京六本木で開催するという所まで決まりました。そこで私の方から「それなら楽しい楽しいXmasパーティーにしてくれ」と頼みました。今年の辛かった事を全てふっとばすXmasパーティーにしたいと思います。会場の都合で定員はマックス800名位ですが、もし時間が取れましたら参加いただき、一緒に思いっきり幸せになりましょう。
詳細は後日決まり次第発表します。
今回の再建ブロジェクトではポール・スミザーさんから大胆な提案が出されそうです。玄関前のガーデニングデザインです。今までも彼のマジックによって萌木の村の景色は一変しました。本当に私達が何人もで長い時間をかけて「こんな風にしたら良くなる」と計画しても、彼の考えを聞くと我々には考えもつかない大胆なデザインが提案されるのです。そして出来上がると、ずっと昔からそのようになっていたかのように、自然に溶け込む不思議な落ち着きのある場所になるのです。今回も彼の力を貸して貰おうと思っています。
現実は厳しい、しかし将来を考えると楽しい。
これが開拓者なのだと思います。
萌木の村村長 舩木 上次