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マンスリー上次さん 12月号

TOPICS | 18.12.01

病院より

 

 私の入院している病室の窓から634mの東京スカイツリーが斜め正面に見える。萌木の村の標高は1250mなのでとても高い。東京で一番高い場所でも我々の住んでいる場所の半分の高さかと思うと何故かニヤニヤしてしまう。
テレビでは日産のカルロス・ゴーン会長の逮捕の問題が全局で報じられている。それを萌木の村と重ねて考えてみたり、舩木上次とも重ねて比較して考えてみる。私に権力が集中しすぎていないかと。ゴーン氏と比較する事自体思い上がるなと叱られそうだが、私はたかだか人間一人一人にほとんど差が無いと思っている。自分一人では何も出来ないし、共鳴する仲間がいてはじめて大きな出来事や結果が生まれる。只、皆でやっているのに、自分がその中心にいると、自分の実力と錯覚してしまう。これから先の事は、その人がインプットした経験や知識により大きく変わる。そういった点では、この入院生活は自分を見つめ直す為には最高の時間だ。同室の患者さん、担当医さん、麻酔医さん、リハビリ担当のスタッフさん、看護師さん、用務員さん、事務員さん等病院関係の方々、そして御見舞いに来てくれる友人達と、11月15日に入院してから今日(11月23日)まで話をした方は50人以上になる。そう考えると最高の時間だ。動けない自分の無力さを感じつつ、自分が動けない時は気がつくと周りの方が多くの情報や様々な事を教えてくれる。そして、清里、萌木の村の対しての見方が変わる。
 私が清里にいないだけでも萌木の村は変わり始めている。若いスタッフが自ら考え動き出している。ココファームに研修に行ったスタッフ、ハロウィンからクリスマスに移り変わる萌木の村の飾り付け、オルゴール館でのコンサート、ロックのデザートフェアはどうなったのか、カレーフェアはどうなるのか、輿水さんチームの石積みや庭づくりで萌木の村の景観がどう変わっていくのか、等想像してしまう。
 私はこれからのAI(人工知能)の時代は大企業と都市は益々前へ前へと進んでいくのだろうと思う。でも窓から景観を見ていると“人だぞ!一人一人の人間力の時代が来ているのだ”と感じる。五感全てを使って、AIでは理解できない事を感じる。その中でクリエイティブな思考の人の集団を創る。志の高い人間力と完成の時代に、私は人間力は上げられると思うが、感性は?と問われると、今の時代の部品を取り入れる事が出来ないので、今の時代と私達の創ってきた歴史との組合せを考え、クリエイティブな能力のある人のサポートをする事が私の役割のような気がする。
 素敵に老いていく道を求める。開拓者になる事を見つける旅が目標として見えてきたように思う。まだまだ入院生活は続く、時間という貴重な宝を与えてくれて本当に感謝。自分を素直に見つめる事が出来るか?深く自分自身を知ることが出来るか?課題である。