マンスリー上次さん 令和3年元旦号
TOPICS | 21.01.01
令和2年は誰しも経験したことのない世界に投げ出され、どうすれば良いのか、どう判断すれば良いのか悩まされる一年でした。私も小さな会社の社長として個人として地域に生活するひとりの人間として、コロナの問題、清里フィールドバレエの問題、萌木の村のあり方の問題、すべてが自分の能力の範囲を超えた問題ばかりでした。そして私自身が癌であるということが発覚して、12月28日に手術しますが、運良く早期発見のため生還することができると思います。その中で、今までの人生と今年の出来事と自分の命と私の中に蓄えられてきた物をどう活かして物事を考えていくのか、今、頭に中を整理しているところです。
私は父や母から戦争の体験を聞きました。少しは理解できます。私の生まれた清里の開拓時代の厳しい生活も経験しています。それらのことから私の人生観や価値観が生まれています。しかし、それらのことを知らない世代の割合が増えてきた今の時代、私たちの世代の役割は何なのか自問自答しています。物は豊富になり便利な世の中です。不自由なことは少なくなりました。しかし。しかしです、なぜか幸せではありません。楽しくありません。感動がありません。本物の笑顔がありません。社会に対しても、自分が生かされていることに対しても感謝がありません。何か不幸ですよね。
清里の開拓者たちはライバルであって仲間でした。明日への希望がありました。そんな思いを現代の若者たちにどう伝えるべきなのか自問自答しています。私自身ストレスと悩みから体調を崩し癌になったわけですから、私も残された時間をどう生きるか考え直さなければいけない曲がり角にいるわけです。
戦後70数年、人類の歴史上これほど大きな変化はなかったでしょう。それに対応するのが精一杯で自分を見失った時代でした。だから時代を超えて残ることは非常に価値のあることなのです。百年後、いや千年後にも残る何かをしたいのです。その仕事の始まりの年明けにしたいと思います。
皆様にお会いできる日を楽しみにしています。
令和3年元旦
萌木の村村長