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マンスリー上次さん 7月号

TOPICS | 16.07.01

私は小学校の頃から、書くことが嫌いでした。どちらかというと算数は得意で苦労しませんでした。漢字は全く覚えられず、現在もそれが続いています。恩師に手紙を書きましたら「君の手紙は字が汚いし、誤字脱字だらけだね。手紙を書くときは国語辞典を隣に置いて書きなさい」と注意されました。月毎のマンスリー上次さんや他にも原稿を依頼されると、私は走り書きで原稿を書いて、ハット・ウォールデンの支配人・木内に渡します。その原稿は字が汚く、私以外の人が見ても読み取れない部分が多いのです。木内はそれをチェック・校正して名文章にして世に送り出してくれます。だから私の出す手紙やメッセージを見てくださっている方々は「舩木は文才がある」と思っていらっしゃるかもしれませんが、実はゴーストライターが存在するのです。

しかし、書くことは考えることです。今では木内は私のことを理解してくれていますから、ほぼ1回の打ち合わせで私の思いを文章にしてくれますが、最初の頃は、私の思いや気持ちがなかなか表現できませんでした。何回も「そうじゃない、こういうことなんだ」と説明しますが、それでも具体的に私が提案できず禅問答のようなやりとりをしました。

思いを伝える・イメージを伝えるにはいくつかの方法があります。言葉、絵にする、ジェスチャー・目ぢから・言葉の強弱等々。同じことを同じ方法で伝えても人によってそれぞれ受け止め方が違うものです。ですから私が指示した事が部下に伝わらないということがよくあります。私が「ああして欲しい、こうして欲しい、こうやってくれ」と説明・指示します。私は伝わったと思い込んでいると、部下は指示したことと違うことをしてしまうのです。私が「そうじゃないよ」と言うと、部下は「言われたとおりやりました」と答えます。私とスタッフは言葉を通して共通のイメージを持っていると思ったら大きな間違いなのです。その部下の、これまでの知識・経験・履歴によって受け取り方がまったく違うということに気づきました。だからポール・ラッシュ先生の言葉「Do Your Best and It Must Be First Class 最善を尽くせ、しかも一流であれ」にしても一人一人のイメージが違うのです。仕事も同じことが言えます。何か新しいことをしようと思ったり、変えていきたいと思い、同僚や部下に伝えると、実際に伝わるイメージに誤差があります。その分だけ対立がうまれたり、それを修正するのに大きなエネルギーが必要になります。だから変わりたくないと思う人が増えるのだと思います。萌木の村はより良く大きな夢を追い求めて変化していきたい、育っていきたいと常に思っています。

なぜそう思うかというと、自らが感動したいからです。サッカーのイングランドプレミアリーグで「レスター」が優勝した時、私は非常に感動しました。私はもともとサッカーが大好きというわけではありません。野球やドキュメンタリー番組の方が好きで、両方やっていれば、まずサッカーは見ないでしょう。でもレスターが優勝した時は興奮して釘付けになりました。なぜでしょう?それはレスターの境遇と萌木の村の境遇が同じだからです。もちろんレスターの方が格段にすごい集団で個々の能力は比べ物になりませんが、サッカー界においては小さな選手もスーパースターもいるわけではなく、お金もなく弱小チームだったはずです。そのレスターが優勝したのです。ほとんどの人が予想していなかったのではないですか?!我々萌木の村の社長もスタッフも、この業界では小さな一人でしかありません。でも外から見たら、ビールは世界№1、世界的な評価をいただく野外バレエ公演をやり、オルゴールのコレクションは日本一、ウィスキーのコレクションもどうもジャパニーズ・ウィスキーにおいては日本一らしい、ナチュラルガーデンは今注目的。すごいことだらけです。小さな力が集合して大きな結果を生んでいるのです。それがカッコイイのです。

でも、誰一人として「すごいことをやっている」というおごりを持っている人はいないように思います。なぜでしょう、それは私が「まだまだ何か足りない」と思ってしまうからです。萌木の村の本当の魅力は、一人一人の力は小さいけれど、みんなが力を合わせて高い目標に向かって進もうとする姿なのではないかと思うのです。そのゴールは実は見えないのです、わからないのです。でも、それを追い求めるのです。だから私の言葉はスタッフにとっては禅問答となってしまうのです。実力のあるリーダーだったらもっと見えているのでしょう。

これからもやっては失敗し、そして学び修正して、一歩また一歩と登っていきたいと思います。私に力を貸してください。そして萌木の村に関わるすべての人と共に誇りを共有させてください。

 

 

■ハット・ウォールデン木内より一言■

最初、社長の原稿を読んだとき(今でも思いますけれど)「なんだこりゃ〜」と思いました。文章ではありません。字は汚いし、漢字も間違っている、単語が並んでいるだけ、文節がつながっているから主語がわからない、過去に同じような話を社長から直接聞いているので「あー、あの時の話か?!」と、何となく言わんとしていることが理解できるのです。ですから手直しができます。全く始めて遭遇する人でしたら宇宙人の言葉を文字にしたものですよ。社長と部下の関係なのでもう何十通も手直ししましたが、夫婦関係や同僚でしたらあり得ません、とっくに絶縁してますよ。
でも、社長の講話を聞いたことのある方はよくご存知でしょう、面白くて会場は笑い声であふれますし、希望に満ちあふれますし、やる気がわきます。素敵な講話ばかりです。だから観光カリスマ百選にも選ばれたのです。そんな社長の話を皆様に伝える役割が私にできるのなら、その仕事も素敵だなと思うのです。私はゴーストライターなどではありません。宇宙人と地球人の通訳です。