レイルウェイ ステーション
TOPICS | 18.07.19
お暑うございます。
清里高原もなかなかの暑さですが、40度近い暑さの場所に比べたらここは涼しい場所のようです。
学芸員の川乃さちこです。
さて今回ご紹介するのは、1885年頃のスイス製のシリンダー オルゴールです。
このタイプは鉄道の駅の待ち合い室に置かれていたものが多く、この名前が付いています。
コインを1枚入れると1曲演奏が楽しめます。
8曲演奏できますが、1曲めは現在のイギリス国歌として有名なGod save the Queenです。スイス製のオルゴールがイギリスに渡ったのかな?と思われますが、使うコインもイギリスの通貨ではありませんし、チューンシートにはドイツ語でRufst du mein Vaterlandと書いてあります。
実はこの曲は1850年から1961年までスイスの国歌でもあったのです。(現在の国歌はSwiss Psalmスイス賛歌)ちなみにこの曲を国歌や王室の曲としている国は他にも少なからずあるようです。このオルゴールが活躍していた時代の選曲なんですね。他にはヨーデルみたいな曲(詳細不詳)もあったり、とてもお国柄が感じられます。
チューンシートにはFlötenspiel (フルート演奏?)とタイトルのように書いてありますが、フルートではなくリードオルガンが組み込まれています。当時リードオルガン付きのシリンダーオルゴールがボア セレステ(天使の歌声)と言われ、たいへん人気がありました。天使なのかどうかはなんとも言えないところですが、とても素朴な音色で聞くものを和ませるという点では天使なのかもしれません。(人気のマリンバ奏者、大森たつしさんもこのオルゴールが大のお気に入りなんですよ)
残念ながら現在展示していないオルゴールですが、企画展などで今後ご紹介できれば、と考えております。
どうぞお楽しみに。