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萌木の村マガジン
私は何故ここまで萌木の村の経営を継続できたのでしょうか?過去を見つめ直すと、改めて自分でも不思議に思うのです。
清里開拓の父と慕われるポール・ラッシュ先生の「Do Your Best! And It Must Be First Class」の響きに酔いしれて、本物を知らないのに本物を求め、最善の努力もしないのに今日まで生きてきました。
しかし結果として、萌木の村のクラフトビール(八ヶ岳ビール タッチダウン)は世界のコンクールでNo.1を何度も獲得し、オルゴールの演奏状態は世界に誇れるほど最高の状態です。清里フィールドバレエは、バレエ界において野外バレエでは世界に認められる地位を確立しています。清里フィールドバレエから生まれた記念ウイスキーは、日本で初めてバレエをイメージして作られ、日本を代表するメッセージ力のある“作品”です。
振り返ってみると、いつもそれぞれのジャンルでその道のプロ、それも“達人”と呼ばれる人が助けてくれています。萌木の村全体の環境を大きく変えてくれた「ナチュラルガーデンズMOEGI」も、あまりにも偶然に出会えた人たちに助けられました。そしてその師についていき、実行するスタッフがいてくれました。
萌木の村の従業員は、このようなプロの人たちに囲まれています。直接プロの指導を受けられることは、大変にありがたいこと。けれども近くにいるのが当たり前すぎて、その本当の姿を知らないことがあります。それはある意味、物怖じしないということ。臆せずに作業を遂行することができるのです。そして、知らず知らずのうちに力をつけてもいるのです。そんなスタッフたちが萌木の村を守ってくれています。
何かをやり遂げることは、決して一人ではできません。各人の役割を果たしながら、チームとして取り組むことです。日々現場で地道な作業を続けてくれている、一人ひとりの努力の結晶こそ萌木の村です。「人間ひとりでは生きていけない」とよく言われていますが、その通り。何人もが集まってチームを作り、助け合うことが必要です。
そんな中で、私は尊敬できる一流の方々から感覚的に学び、スタッフと共に今の萌木の村を作ってきました。しかし、その優れた品質を広く部下に伝える能力が不足しているように思うのです。なぜかというと、私はそれぞれのことを指導していただいた方々ほど深く追求していないし、知識として理解していないために、スタッフに対して禅問答のような伝え方しかしていないのです。だから私の説明では、スタッフに宝物を宝物として充分に理解させることができないのです。
今からやらなければいけないことは、その宝物の“素晴らしい”と言われる所以を丁寧に若い人たちに伝えること。心から宝物として理解し、お客さまに語ることができるスタッフと共に、その宝物を利用し、組み合わせ、新たな価値を創造することができれば、萌木の村の明日はポール・ラッシュ先生の夢にも繋がるのだと思います。今が勝負の時、大事な時だと思います。みなさん、よろしくお願いいたします。
萌木の村村長