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萌木の村マガジン
今回のロシアによるウクライナ侵攻問題は、多くの人々がきっと「起こらない」と思っていたのではないでしょうか。原子爆弾のことまで口をついて出ていますが、持っていても使ってはいけない。使った時は人類の終わりだと思っています。しかし、その可能性が示唆されていて、私たちは何をすれば良いか考えさせられます。
私が尊敬する恩人・Mさんから教わったことがあります。
「舩木君、沖縄の人たちと本土に住む人たちの戦争に対する感情は違うんだよ」
「アジアの人たちの反日感情が強いのはどうしてだ!?」
「日本は本土空襲で焼け野原にされて、さらに広島と長崎に原爆まで落とされ多くの犠牲者を出した。なのに、我々の中に反米感情はそこまで強くない。(もちろんGHQによる戦後政策や、教育の影響もあると思う。)目の前で親兄弟子供が殺され、虐待を受けたことは違うことなんだよ。」
と言われました。大事な人が目の前で虐殺されたり、暴行を加えられたり。それを体験して生き残った人の心は、決して消えることのない気持ちが残るというお話でした。
終戦間際にシベリアで捕虜になり、強制労働と拷問を受け生き残った人が清里にいます。ペンションを経営していました。その方からは多くのことを学びました。その方は、シベリア抑留の話になると大変感情的になりました。私も含め、経験のない人にその感情は理解しづらいでしょう。
全ては経験し自分の中で熟成され、価値観や判断力が養われていくのでしょう。この平和で恵まれた日本の中で育ち、厳しい経験のない人には分からないことばかりなのではないでしょうか。私が子供の頃に経験した、開拓時代の話を今の若者に伝えても理解できないのと同じです。
パレスチナとイスラエル対立の歴史を話したときも「舩木君、生まれた時からずっと対立していて、日常的にテロが起こり、身近で人が死んでいく世界では、生と死が背中合わせであることが当たり前なんだよ」と言われました。私は、日本は平和ボケしていると思います。
人間は自然の原理に逆らって自分に都合よく生きてきた結果として、矛盾の中で多くの対立まで生んできてしまったような気がします。私には、まだまだ答えは闇の中です。一人一人が自分で考える、自立して自分づくりをする時だと思うのです。
つくづく人間は愚かだと思う。
今日ある姿は全て、一人一人の責任の結果だと思うのです。
萌木の村村長