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萌木の村マガジン
これまでに関わった人たちが私の中にいるということ
自分の周りの人をひとりひとり見たら、実はその人たちが自分の中にいた。
どういうことかというと、私と関わった人たちの生き方・考え方が、私の生き方・考え方の一部になっているということ。人はみな生まれた時は真っ裸だ。何も持っていないし、考える力もない。無だ。何か持っているものがあったかと考えると、生き続けるための本能のようなものだけである。そこからのスタート。
最初に出会った人はお産婆さん、おふくろ、そしておやじ。そして、私は清里のポール・ラッシュ先生が切り開いた「清里農村センター」で生まれたので、人間よりも牛や豚や羊や鶏との出会いの方が多かったように思う。
そして開拓地だったから自然の中で育った。私の中にあるものは人だけではない、動物と触れ合う感触や取り巻く自然環境などすべてだ。そこから何が起きたのだろうか。
そこから経験と知識が蓄積され今に至る。良かったか、悪かったかはわからないが、それが私だ。そんな出会いの中で、それぞれの点が不思議な縁で結ばれていく。出会った人の繋がりで次から次へと結ばれていく。そして気がつけば人脈は大きく育って地域をも動かすようになっていた。
すべて五感で感じとってきたことが行動と決断につながっている
ひとつの例として、「清里フィールドバレエ」について話そう。
今年で34回目を終えた清里フィールドバレエを始めるきっかけは何だったのかというと、一般的には今村先生・川口先生がヨーロッパで野外バレエ公演を経験した後、清里で私と出会ってスタートした、となっている。もちろん事実だが、なぜその時点で決断できたのだろうか。
私の育った「清里農村センター」では、ポール・ラッシュ先生が毎年「八ヶ岳カンティーフェア」というイベントを開催していた。そこではバンド演奏やフォークダンスや盆踊りをしていた。私がオルゴールを集めはじめた頃、ヨーロッパやアメリカで野外コンサートの機会に何度も恵まれた。
そんなことが積み重なって、私は今村先生たちのバレエの話があった時に、抵抗なく受け入れられたのだと思う。
私の場合、すべて五感で感じとって身につけてきたことが、何かに出会った時に、判断基準となって、行動と決断に繋がっているのだと思う。そう考えると様々な人との出会いによって成熟させられた自分があることにつくづく納得する。
私は皆さんによって作られたのだと!
萌木の村村長