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萌木の村マガジン
地球温暖化の問題も人工頭脳の問題も少子化問題も、そして私の歳の問題も、想像以上の速さで進んでいるように思う。今までの経験からは考えられない速度のため、現実についていけない状況が進んでいる。ある意味新しい価値の誕生だと思うが、それを描くことができる人とできない人の格差が生まれてきてしまう。そんな時代のなか自分を見つめると、私の中にある情報は開拓時代に生まれたこと、キープ協会の設立時代であったこと、戦後の貧しい時代であったこと等々、今とは全く違う環境であったために今の私が作られた。 その経験の中から新しい時代の創造をしようとしても限界を感じることがある。
萌木の村は素材としての原石はいっぱい作ってきた。オルゴール、バレエ、ガーデン、ビール、ウイスキーなど。さてこれらの素材を使って現代の人々が求めるものにどう生まれ変わらせるか?!その原材料を使って新しい商品、いや新しい作品をどう作り上げるかが問われている。何かがあるはずだ、ともがいている。今まで作り上げてきたものを生かし更に新しい作品をつくること、リノベーションを常に生み出すことを考えている。古民家をおしゃれなフレンチレストランに生まれ変わらせるように。伝統的な和太鼓の団体「TAO」のようにエンターテイメントとして生まれ変わるような。抹茶や山椒が斬新なジンの素材になったり、何かあるはずだ。
衣食住が足りなかった時代に育った私の強い欲求が、衣食住が満たされた今の時代にどんな変化をもたらすのか?それは芸術とスポーツと自然環境ではないかと思う。そこならば原材料はある。芸術、スポーツ、自然環境において時代が求めているものは何か?・・・残念ながらそれを考える力が年齢と共に弱くなっている自分に気付く。多分、いにしえの良きものを生かし、IT、AIなど現代の最先端の技術センスを取り込むことで、現代の人々には返って斬新な感覚が得られるような・・・うっすらとわかるが具体的に形にならない。しばらくは悶々とする日々が続きそうである。