Magazine

萌木の村マガジン

マンスリー上次さん 2024.6月号

2024

Jun

01

社長コラム

最近野鳥の種類が少なくなったと八ヶ岳の別荘に住む方が言っていた。昔はいっぱいいたのにと嘆いておられた。私は「いやいや、萌木の村は最近野鳥が増えていますよ」と話した。事実ジョウビタキの生息数が格段に増えている。その違いはなんだろうと考えると、餌が有るか無いかの差だと思う。地球の歴史を見ても食べるものがなくなると、食べるものがある場所に移動して生き延びる。普通の動物は生きることは食べることに等しいのだ。ともかく餌がなければその場所では生きていけないのだ。

昔の野菜は虫に食われた跡がいっぱいあった。今の野菜は虫が食べた跡など見当たらない。それはそうだ、殺虫剤などで虫を殺して野菜を育てているのだから。昔は土の中には微生物がいっぱい住んでいてその働きによって植物や昆虫や幼虫が共生していた。今は化学肥料や農薬で植物を育てている。人間は個体が大きいのでその影響は小さいが、極小の微生物や幼虫などはその影響は甚大である。だから畑には虫がいない。成虫である蝶も飛んでいないし、幼虫を食べる野鳥も生きづらい。野鳥がいなくなったのは、我々人間の都合で命の連鎖を勝手に止めてしまったからである。

新型コロナ感染症が蔓延している時、我々は”消毒””消毒”と言って除菌、滅菌した。体の中で共生していた微生物たちと縁を切ってしまった。そのため我々は抵抗力の低い弱い人間になってしまった。よく考えてみよう、人間の都合だけで地球の中で唯一生き続けられると思ったら大間違いである。「野鳥が少なくなったね」と言っていたら、近い将来「最近人間が少なくなったね」という地球にならないために、微生物や昆虫や野鳥や植物、森や自然のことを考えていかないと大きなしっぺ返しが来てしまう。「戦争などやっている場合ではないのに、つくづく馬鹿な人が多いなあ」と思ったら「いやいや、私もその大馬鹿の中の一人だった」と反省する今日この頃である。

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